真抄洞 shinshodo

大分県竹田市城下町 トンネル町のgallery&実験室

日誌 blog

光と影「訪れることがない」場所:KYOTOGRAPHIE

2019/09/06

竹田市の移住者には、写真を撮る人・趣味とする人が多くいます。

もし竹田で写真に関する展示をするとしたら。

5/12(日)が会期末だった、今年2019年で7回めだという「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」へ、初めて行ってきました。

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭

www.kyotographie.jp

特に好きな、もしくは気になった展示の備忘録です。

・・・・・

イズマイル・バリー「クスノキ」

@二条城二の丸御殿御清所

私がまわったのは、ほんとうに、良く晴れた日でした。

良く晴れた日に来ることができて良かった、と思う展示でした。

築年数を重ねた建物の多くは木造です。

木造建築の特ちょうに焦点を当てた、暗闇と光の展示でした。

私が十代の頃に通った学校は、関東大震災後に建てられた木造建築でした。

だからか、歩くとミシミシと音を立て、冬は、隙間風のおかげか、押し引きして開閉する扉が、勝手に開くことがありました。

木造建築だからこそ存在する隙間と、写真が出会いました。

・・・・・

会場は、来場者の出入り時を除いて、光をつけておらず、基本的に真っ暗です。

建物の隙間から漏れる光の効果を表現した展示でした。

・・・・・

展示会場の「御清所(おきよどころ)」は、何をする場所だったのでしょうか?

会場名の英語訳は、「Okiyodokoro Kitchen」です。

会場にいらした看視の方のお話によると、英語訳のとおり「調理室」だったそうです。

展示会場中央にある、竹で四角く囲ってある場所は、囲炉裏があった場所だったそうです。

ものすごく広い調理室ですね!と話すと、「二条城で動く人の数は多かっただろうからね」と、おっしゃっていました。

・・・・・

せっかく二条城で展示があるのだし、と、展示会場である二の丸御殿御清所だけでなく、二条城全体を見てまわりました。

本丸があった場所から臨む。

二条城に来たのは初めてでした。

二条城に来たことがある、と思っていたのですが、高校の修学旅行で訪れた平安神宮を、二条城と思っていました。

特に、大政奉還の舞台だった、二の丸御殿は圧巻でした。

襖絵、天井のつくり・・・。

大学生のときに、友人とバックパックの旅でヴェネツィアに行ったのですが、その時に訪れた貴族の館を思い出しました。

ゴージャスな建築があって、生活・日常があって、そこで繰り広げられる美術があります。

二の丸御殿にある襖絵は複製ですが、それでも当時のようすがイメージできて、心が躍りました。

・・・・・

■金氏徹平「S.F.(Splash Factory)」

@京都新聞ビル印刷工場跡(B1F)

京都新聞社の地階にある、数年前まで稼働していたという印刷工場跡が会場です。

このような企画がなければ、足を踏み入れることはなかったでしょう。

どんな空間なのだろう。

工場跡、と聞くだけで、わくわくします。

印刷工場は、町のど真ん中の地下一階にありました。会場入口。
展示のフロアマップ

作品も、印刷工場から想起したような"機械仕掛け"の展示でした。

床に並ぶカラフルなペットボトルが、道案内役です。

・・・・・

■アルフレート・エールハルト「自然の形態美ーーバウハウス100周年記念展」

@両足院(建仁寺山内)

写真中央くらいの場所に、お茶室があります。

お茶室の、にじり口から覗くと・・・

・・・・・

KYOTOGRAPHIEは、メインスポンサーがBMW、プレミアムスポンサーは、CHANELです。

展示環境のゴージャスさから、サントリー美術館を思い出しました。

・・・・・

初めてのKYOTOGRAPHIEだったので、最初、インフォメーションセンターのNTT西日本三条コラボレーションプラザに向かいました。

「KYOTOGRAPHIEに来たのが初めてなので、オススメのまわり方を教えてください」と、チケット販売くださったインフォメーションセンタースタッフの方に聞くと、「京都の人は歩きますよ。歩く途中途中に、いろいろなお店がありますし」ということで、歩いてまわりました。

11時くらいから17時くらいまで、1dayパスポートで、全部で11会場あるメインプログラムを、歩いて観てまわりました。

(観ることを優先したので、どこかのお店に入ってお昼ごはん・・・ということはしませんでした)

・・・・・

春画とのコラボ展示あり、ダンスフィルムあり・・・。

「写真が町に出て、サイトスペシフィックな展示をするとなると、こういうことも可能か」と驚きました。

「写真」の可能性を、あらためて深く考えたいです。

・・・・・

今回の竹田市外行きでは、KYOTOGRAPHIE以外にも、熊本県立美術館の浜田知明回顧展「忘れえぬかたち」と、熊本市現代美術館CAMKの大竹伸朗「ビル景 1978-2019」、東京オペラシティ アートギャラリーのトム・サックス「ティーセレモニー」と、こまばアゴラ劇場で行われていたヌトミック「お気に召すまま」を訪れました。

・・・・・

浜田知明展の会場である熊本県立美術館は、初めての訪問でした。

熊本県立美術館は、熊本地震からの復興作業真っ只中の、熊本城の敷地内にありました。

熊本城内にある熊本県立美術館に行った後に、大竹伸朗「ビル景 1978-2019」展を観に行ったこともあり、復興の真っ只中で、崩れた石垣が見受けられる熊本城と、ビルに関する作品たち700点超が展開される大竹伸朗展と、建てられるもの・崩れるものの、相反する事柄をひと続きに見て、心に響きました。

熊本県立美術館で開催されていた展覧会、浜田知明さんは、自らの戦争経験から、戦争・平和をテーマに作品制作をした方です。

熊本市現代美術館での大竹伸朗さんの作品を観ていて、浜田知明さん同じく、自らの戦争経験から作品制作をした宮崎進さんの作品を思い出しました。

大竹伸朗展では、普段の美術館と違って、全ての可動壁が取り払われ、体育館のような、だだっ広い空間に、一遍に展示するさまが面白かったです。

・・・・・

トム・サックス展は、「ティーセレモニー」という展覧会タイトルから分かるとおり、茶道がテーマです。

お水屋も可愛い。日常生活に取り入れたい。
展示台も気になりました。
基本的に白いのですが、切断面は白く塗ってありません。
可愛い、取り入れたい。
休憩用の椅子も、作品のよう。
座面を支える台は、展示台と一緒です。

サインや展示台、椅子さえ可愛いくって、たまりません・・・

「茶道をテーマに、海外の都市のまちなかで展覧会をしようか」。

そんな話があったことがありました。

海外在住者が表現する茶道。

竹田市城下町エリアにも、ファブラボのようなスペースがあります。

ファブ×茶道などなど、いろいろな要素を組み合わせて表現する茶道、私も妄想を続けます。

-日誌 blog